事業別損益

複数店舗・複数拠点の利益を見える化する方法

2025年3月

複数店舗になると、会社全体の数字だけでは足りない

店舗や拠点が一つのうちは、会社全体の売上や利益を見るだけでも、ある程度経営状況を把握できます。

しかし、店舗や拠点が増えてくると、会社全体の数字だけでは判断が難しくなります。

会社全体では黒字でも、ある店舗は大きく利益を出し、別の店舗は赤字になっているかもしれません。

また、売上が大きい店舗が必ずしも利益を出しているとは限りません。

家賃、人件費、広告費、地域性、稼働率などによって、店舗ごとの利益構造は大きく変わります。

複数店舗・複数拠点を運営する会社では、拠点別損益を見える化することが重要です。

まずは店舗別の売上を正確に分ける

最初に必要なのは、店舗別・拠点別の売上を正確に分けることです。

売上管理システムや請求データ、会計ソフトの補助科目などを使い、どの売上がどの店舗に対応するのかを整理します。

売上の区分が曖昧なままでは、拠点別損益は作れません。

まずは売上を正しく分けることが第一歩です。

直接費と人件費を分ける

次に、店舗ごとに直接発生している費用を分けます。

代表的なものは、次のような費用です。

  • 店舗別の仕入・材料費
  • 店舗スタッフの人件費
  • 店舗の家賃
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 店舗ごとの広告費
  • 消耗品費

特に重要なのは人件費です。

人件費比率が高い事業では、店舗ごとの人員配置によって利益が大きく変わります。

売上だけでなく、人件費と利益の関係を見る必要があります。

共通費はルールを決めて配賦する

本部費用や管理部門費、役員報酬、システム費など、複数店舗に共通する費用もあります。

これらをどのように配賦するかは、会社ごとにルールを決める必要があります。

たとえば、次のような方法があります。

  • 売上比率で配賦する
  • 人員数で配賦する
  • 面積で配賦する
  • 店舗数で均等配賦する
  • 重要な共通費だけ配賦する

最初から完璧な配賦を目指す必要はありません。

経営判断に使うためには、一定のルールを決めて継続的に比較できることが重要です。

店舗別に見るべき指標

複数店舗・複数拠点の経営では、次のような指標を見ると有効です。

  • 店舗別売上
  • 店舗別粗利
  • 店舗別人件費
  • 人件費率
  • 家賃比率
  • 営業利益
  • 利益率
  • 客単価
  • 稼働率
  • 生産性

これらを毎月確認することで、店舗ごとの特徴が見えてきます。

数字を見える化すると、判断が変わる

拠点別損益を作ると、これまで感覚で判断していたことが数字で見えるようになります。

たとえば、

  • 売上は高いが利益が残らない店舗
  • 売上は小さいが利益率が高い店舗
  • 人件費が重く利益を圧迫している店舗
  • 固定費が高く損益分岐点が高い店舗
  • 成長投資をすべき店舗
  • 改善が必要な店舗

といったことが分かります。

これにより、採用、広告、投資、撤退、店長評価などの判断がしやすくなります。

経営会議で使える形にする

店舗別損益は、作るだけでは意味がありません。

毎月の経営会議で確認し、改善アクションにつなげることが重要です。

店舗別損益をもとに、次のような議論ができます。

  • どの店舗に人員を増やすべきか
  • どの店舗の利益率が低下しているか
  • 広告費の効果が出ているか
  • 店長ごとの改善課題は何か
  • 新規出店してもよい状態か

複数店舗・複数拠点の会社では、拠点別損益は経営会議の中心資料になります。

萩原公認会計士事務所では、複数店舗・複数拠点を運営する中小企業に向けて、拠点別損益の設計と経営会議資料づくりを支援しています。

会社全体の数字だけでは見えにくい利益構造を、経営判断に使える形へ整えていきましょう。

社長と幹部が数字で判断できる体制を整えませんか。

現在の試算表、月次資料、経営会議資料を確認し、貴社に必要な経営管理体制を整理します。

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