感覚経営が悪いわけではない
中小企業の成長初期において、社長の感覚は非常に重要です。
お客様の反応、社員の動き、現場の空気、資金の流れ、商談の感触など、数字だけでは見えない情報を社長が把握しているからこそ、素早い意思決定ができます。
その意味で、感覚経営そのものが悪いわけではありません。
むしろ、創業期や小規模のうちは、社長の感覚とスピードが会社の強みになることも多いです。
しかし、売上が伸び、社員が増え、事業や拠点が増えてくると、社長一人の感覚だけでは管理しきれない領域が増えていきます。
この段階で必要になるのが、組織で数字を共有する仕組みです。
組織経営に必要なのは、共通言語としての数字
組織経営とは、社長だけが判断するのではなく、幹部や管理職も会社の状況を理解し、改善に関わる状態です。
そのためには、共通言語としての数字が必要です。
社長が頭の中で把握している数字を、幹部も理解できる形にする必要があります。
たとえば、次のような数字です。
- 売上高
- 粗利額・粗利率
- 人件費率
- 固定費
- 営業利益
- 事業別・部門別損益
- キャッシュフロー
- KPI進捗
- 予算実績差異
これらを毎月確認することで、幹部も会社の状況を理解しやすくなります。
幹部に任せるには、数字の見える化が必要
社長が現場から少しずつ離れ、幹部に任せていくためには、数字の見える化が欠かせません。
数字が見えないまま任せると、評価や判断が感覚的になります。
たとえば、ある部門の売上が伸びていても、利益率が下がっていれば、必ずしも良い状態とは言えません。
ある拠点の売上が低く見えても、固定費が小さく利益率が高ければ、重要な収益源になっている可能性があります。
幹部に任せるためには、売上だけではなく、利益、コスト、資金、KPIを見える形にすることが必要です。
組織経営に移る会社が見るべき数字
感覚経営から組織経営へ移行する会社では、最低限次の数字を整えることをおすすめします。
1つ目は、月次の売上・粗利・営業利益です。会社全体の収益力を確認する基本です。
2つ目は、事業別・部門別損益です。複数の事業や部門がある場合、どこで利益が出ているかを把握する必要があります。
3つ目は、人件費と固定費です。社員数が増えると、人件費と固定費の管理が重要になります。
4つ目は、キャッシュフロー予測です。成長企業では、利益が出ていても資金が減ることがあります。採用、投資、借入返済の影響を確認する必要があります。
5つ目は、KPIです。売上や利益だけでなく、稼働率、契約数、客単価、粗利率、生産性など、事業ごとに重要な指標を確認します。
経営会議を数字で進める
組織経営へ移行するためには、月次経営会議の設計も重要です。
経営会議では、単に数字を報告するだけでなく、次のような流れで議論することが有効です。
- 先月の結果を確認する
- 予算との差異を確認する
- 事業別・部門別の課題を確認する
- キャッシュフローの見通しを確認する
- 改善アクションを決める
- 次回までに確認する指標を決める
この流れを毎月繰り返すことで、幹部も数字をもとに考える習慣が身につきます。
数字は管理のためではなく、任せるためにある
経営管理というと、細かく管理するためのものだと思われることがあります。
しかし、成長企業にとって数字は、社員や幹部に任せるための土台でもあります。
数字が見えていれば、社長はすべてを自分で判断しなくてもよくなります。
幹部が数字を見て、課題を把握し、改善策を考えられるようになります。
萩原公認会計士事務所では、社長の感覚経営から組織経営へ移行するための月次経営レポート、事業別損益、経営会議資料づくりを支援しています。
会社の成長に合わせて、数字の仕組みも整えていきましょう。
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